入管への就労ビザ申請ができる代理人について
【更新2025.05.05】加筆修正をおこないました。
就労ビザの申請を行うときには、申請先の出入国在留管理局に外国人本人が行く必要があります。
では、海外から呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請の場合、本人が日本国内にいませんが誰が申請を行うのでしょうか?
また、本人が事故や病気等で自ら行くことが難しい場合等ではどうすればよいでしょうか。その際に本人に代わって申請を行うことができる代理人について解説をしていきます。代理人がいない場合にはビザ申請の専門家に依頼することも可能ですが、その専門家とは誰なのか?についても詳しく説明していきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
本人申請の原則
入管への就労ビザ申請は申請人である外国人本人がおこなうことが原則とされています。これを本人出頭の原則といいます。
外国人が次の各号に掲げる行為をするときは、それぞれ当該各号に定める場所に自ら出頭して行わなければならない。
入管法第61条の8の3第1項
それと同時に、代理人による申請についても規定されています。
前項の申請は、当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令で定める者を代理人としてこれをすることができる。
入管法第7条の2第2項
第一項第三号に掲げる行為については、外国人の法定代理人が当該外国人に代わつてする場合その他法務省令で定める場合には、同項の規定にかかわらず、当該外国人が自ら出頭してこれを行うことを要しない。
入管法第61条の8の3第4項
では、具体的に「誰が」、「どの申請で」代理人になれるのかを確認していきます。
誰でも代理人になれるわけではない!
委任状があれば誰でも代理人になれるわけではありません。申請の種類、在留資格毎に代理人が規定されています。
在留資格認定証明書交付申請
外交
- 本人または本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が構成員となる外国使節団、領事機関等の職員
- 本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員
公用
- 本人または本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が公務に従事する外国政府又は国際機関の本邦駐在機関の職員
- 本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員
教授
- 本人が所属して教育を行うこととなる本邦の機関の職員
芸術
- 本人と契約を結んだ本邦の機関又は本人が所属して芸術上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員
宗教
- 本人を派遣する外国の宗教団体の支部その他の本邦にある関係宗教団体の職員
報道
- 本人と契約を結んだ外国の報道機関の本邦駐在機関又は本人が所属して報道上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員
高度専門職
- 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
- 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員
経営・管理
- 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員
- 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所を新たに設置する場合にあっては、当該本邦の事業所の設置について委託を受けている者(法人である場合にあっては、その職員)
法律・会計業務
- 本人が契約を結んだ本邦の機関の職員又は本人が所属して法律・会計業務を行うこととなる機関の職員
医療
- 本人が契約を結んだ本邦の医療機関又は本人が所属して医療業務を行うこととなる本邦の医療機関の職員
研究
- 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
- 本人が転勤する本邦の事業所の職員
教育
- 本人が所属して教育を行うこととなる本邦の機関の職員
技術・人文知識・国際業務
- 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
企業内転勤
- 本人が転勤する本邦の事業所の職員
介護
- 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
興行
- 興行契約機関(興行契約機関がないときは、本人を招へいする本邦の機関)又は本人が所属して芸能活動を行うこととなる本邦の機関の職員
技能
- 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
特定技能
- 本人と特定技能雇用契約を結んだ本邦の機関の職員
技能実習
- 企業単独型実習実施機関の職員
- 管理団体の職員
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在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請・その他の諸申請
在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請の場合に代理人となれるのは、申請人本人の法定代理人とされています。
親権者
申請人本人が18歳未満の場合、身分上及び財産上の監督保護・教育を内容とする権利義務を有する者
未成年後見人
親権者がいないとき、または、親権者が管理権を有しないときに後見となる者
成年後見人
申請人本人が成年被後見人の場合、本人に代わって法律行為を行う者、または、本人による法律行為を補助する者
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【事例説明①】海外にいる大卒者を海外取引業務で採用したケース
では、海外から新規採用者を呼び寄せたい場合に行なう、在留資格認定証明書交付申請を例に見ていきます。
この度、A社は某国籍の大卒者Bさんの採用を決定しました。Bさんが従事する職務内容は「海外取引業務」です。当該業務を行う場合に想定される在留資格は「技術・人文知識・国際業務」となります。
技術・人文知識・国際業務の場合に代理人となれるのは、本人と契約を結んだ本邦の機関の職員、いわゆる会社担当者です。
A社の採用担当者がBさんの在留資格認定証明書交付申請の代理人となり、出入国在留管理局に申請を行うことができるというわけです。
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【事例説明②】15歳の申請人が家族滞在ビザを延長するケース
お父さんが就労ビザを保有してお仕事をしています。お母さんと息子は家族滞在ビザを保有しており家族3人で日本に滞在中です。
この度、息子の在留期限が近付いてきたため家族滞在ビザの更新を行う必要があります。息子は現在15歳のため、親権者であるお父さんが代理人となって在留期間更新許可申請を行うことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。入管へビザ申請を行う際の代理人については、申請の種類毎、在留資格毎に規定されています。本人からの委任状があれば誰でも代理人になれるわけではありません。このことを知らずに、委任状をもって入管に行ったものの申請を受理してもらえなかったなんてこともあるでしょう。
正しい知識をもった上でビザの手続きはおこないましょう!
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行政書士法人35
代表行政書士 萩台 紘史
2021年4月 SANGO行政書士事務所を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立
外国人の就労ビザ申請に専門特化した事務所として年間350件超の就労ビザ申請をサポート