外国人のビザ申請専門家「行政書士」とは?依頼するメリットと賢い選び方
外国人の方々が日本で生活したり働いたり、あるいは国際結婚をしたりするためには、多くの場合「ビザ(在留資格)」の取得が不可欠です。
しかし、ビザを取得するための申請手続きは、提出書類が多岐にわたり、法律の知識も必要とされるため
「何から手をつけて良いか分からない」
「自分で申請するのは不安だ」
と感じる方も少なくないでしょう。
そんな時、頼りになるのが「行政書士」という国家資格を持つ専門家です。
「行政書士って、ビザ申請で具体的に何をしてくれるの?」
「依頼するとどんな良いことがあるの?」
「そもそも、どんな行政書士に頼めば安心なの?」
といった疑問をお持ちかもしれません。
特に初めてビザ申請を検討される方や、過去に申請で苦労された経験のある方、外国人を雇用する会社の採用担当者の方々にとっては、専門家のサポートがどのようなものか、具体的に知りたいところでしょう。
この記事では、まさに「外国人のビザ申請を行う行政書士とは?」という疑問にお答えするため、行政書士がビザ申請手続きにおいて果たす専門的な役割、依頼するメリット、そして信頼できる行政書士を選ぶための重要なポイントについて、2025年の最新情報を交えながら詳しく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、ビザ申請における行政書士の価値と、あなたにとって最適な専門家を見つけるヒントが得られるはずです。
複雑な手続きを乗り越え、日本での希望を実現するための一歩として、ぜひご活用ください。
目次
- 「行政書士」とは?ビザ申請における専門家としての役割
- なぜビザ申請に行政書士?依頼する5つの大きなメリット
- 【行政書士の選び方】失敗しないための7つのチェックポイント
- 【まとめ】ビザ申請の頼れるパートナー、行政書士を賢く活用しよう
「行政書士」とは?ビザ申請における専門家としての役割
「ビザ申請は行政書士に」とよく言われますが、そもそも「行政書士」とはどのような専門家なのでしょうか。
そして、数ある行政書士の業務の中で、特に外国人のビザ(在留資格)申請において、どのような専門的な役割を担っているのかを具体的に理解することが、専門家を効果的に活用する第一歩となります。
ここでは、行政書士の基本的な業務範囲と、ビザ申請におけるその専門性について詳しく解説します。
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者であり、主な業務は官公庁(役所など)に提出する書類の作成、その提出手続きの代理、そしてこれらの手続きに関する相談に応じることです。
取り扱うことができる書類は非常に幅広く、許認可申請から契約書作成まで多岐にわたりますが、その中でも出入国在留管理庁(入管)への各種申請手続きは、行政書士の重要な専門分野の一つです。
特にビザ申請(在留資格関連手続き)を専門的に取り扱う行政書士の多くは、「申請取次行政書士」という内部資格を有しています。
申請取次行政書士とは、出入国在留管理業務に関する一定の研修を受け、その知識と能力が認められた行政書士のことです。
この資格を持つ行政書士は、外国人本人に代わって、入国管理局の窓口へ申請書類を提出することが法的に認められています。
この制度により、申請者本人は原則として入管へ出頭する手間や時間を省くことができ、学業や仕事に専念できるという大きなメリットがあります。
ビザ申請において行政書士が提供する具体的なサービス内容は多岐にわたります。
まず、申請者の状況や日本での活動目的を詳細にヒアリングし、最も適切と思われる在留資格の選択に関するアドバイスを提供します。
また、その在留資格を取得するための要件を満たしているか、許可の可能性はどの程度かといった専門的な見地からの評価も行います。
次に、膨大で複雑な申請書類一式の作成を代行、または丁寧に指導し、収集が難しい公的書類の取得をサポートすることもあります。
作成・収集した申請書類一式は、申請取次行政書士が申請者に代わって管轄の入国管理局へ提出します。審査の過程で、入国審査官から申請内容に関する問い合わせがあったり、追加の資料提出を求められたりした場合には、専門家として適切に対応します。
そして、審査結果(許可または不許可)の通知を受け取り、新しい在留カードの受領などを代行することもあります。
万が一不許可だった場合には、その理由を分析し、再申請に向けた対策を一緒に検討することも重要な業務です。
なぜビザ申請に行政書士?依頼する5つの大きなメリット
外国人のビザ(在留資格)申請は、ご自身で行うことも不可能ではありません。
しかし、多くの時間と労力を要する上に、専門的な知識がなければ思わぬところでつまずいてしまう可能性もあります。
そこで頼りになるのが行政書士ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ビザ申請を行政書士に依頼することで得られる主な利点を5つに絞ってご紹介します。
【1】許可の可能性向上が期待できる
行政書士、特にビザ申請を専門とする者は、複雑な出入国管理及び難民認定法(入管法)や関連する省令、そして日々変わる可能性のある入国管理局の審査基準や内部の運用指針を熟知しています。
個々の申請者の状況を詳細に分析し、どの在留資格が最も適切か、どのような書類を提出すれば審査官に的確に状況を伝えられるか、といった点を専門的な視点から判断し、最適な申請戦略を立てることができます。
不備のない申請書類の作成はもちろん、誤解を招きやすい点については説得力のある理由書を作成するなど、許可を得るためのノウハウを駆使します。
【2】申請にかかる時間と労力を大幅に削減できる
入管へのビザ申請には、申請書以外にも多くの証明書類や翻訳文などを用意する必要があり、一連の書類準備には想像以上の時間がかかります。
また、原則として平日の日中に管轄の入国管理局へ出頭して申請書類を提出したり、問い合わせに対応したりする必要もあります。
申請取次行政書士に依頼すれば、これらの煩雑な作業の多くを代行してもらえるため、申請者ご本人は学業や仕事、あるいは日本での生活準備に集中することができます。
【3】複雑なケースや過去に不許可歴がある場合でも対応可能
例えば、学歴や職歴が申請したい在留資格の要件に該当するか曖昧である場合、過去にオーバーステイなどの入管法違反歴がある場合、あるいは一度ご自身で申請して不許可になってしまった場合など、通常の申請よりも難易度が高いケースでも、経験豊富な行政書士であれば、問題点を分析し、許可を得るための具体的な対策を講じることが可能です。
ビザ申請を専門に扱う行政書士事務所が、困難案件の許可実績をウェブサイトなどで公開しています。
【4】多言語での対応が可能な事務所有り
英語や中国語はもちろんのこと、韓国語、ベトナム語、タガログ語など、様々な言語で相談や書類作成のサポートを受けられる場合があります。
日本語でのコミュニケーションや複雑な法律用語の理解に不安がある外国人の方にとって、母国語や得意な言語で安心して相談できる環境は、非常に心強いサポートとなるでしょう。
【5】精神的な負担の軽減
ビザ申請は、日本での生活や将来を左右する重要な手続きであり、許可が下りるまでは大きな不安を抱えるものです。
専門家である行政書士が申請プロセス全体を通じて伴走し、的確なアドバイスや進捗状況の報告を行うことで、申請者の精神的なストレスを和らげ、安心して結果を待つことができるようになります。
今挙げたようなメリットを考慮すると、行政書士への依頼は、単なる手続き代行ではなく、ビザ取得の成功率を高め、貴重な時間と安心を得るための有効な投資と言えるでしょう。
次のセクションでは、数ある行政書士の中から、どのようにして信頼できる専門家を選べばよいのか、具体的なチェックポイントを解説します。
【行政書士の選び方】失敗しないための7つのチェックポイント
ビザ申請を行政書士に依頼するメリットは大きいものの、どの行政書士に依頼するかは非常に重要な選択です。
専門性や経験、料金体系、そして何よりも信頼性は事務所によって異なります。後悔しないためにも、慎重に比較検討し、ご自身の状況に最も適した行政書士を見つけ出す必要があります。
ここでは、ビザ申請の専門家を選ぶ際に確認すべき7つの重要なチェックポイントを詳しく解説します。
【1】外国人のビザ申請業務に関する専門性と豊富な実績
行政書士の業務範囲は広いため、全ての行政書士がビザ申請に精通しているわけではありません。
まずは、依頼を検討している行政書士事務所が外国人関連業務、特にビザ申請を専門的に扱っているかを確認しましょう。
ウェブサイトなどで、これまでの取り扱い件数、許可実績、事務所の開業年数などをチェックすることが有効です。
長年の経験や多数の案件処理実績は、入国管理局の審査傾向や個別の事案への対応ノウハウが蓄積されている証と言えます。
【2】「申請取次行政書士」であるか
外国人のビザ申請業務において、残念ながら多くのブローカーや違法業者が蔓延っています。
無資格者に出会わないためにも、面談時には「行政書士証票」と「届出済証明書」を確認しましょう。

サンプルです。ビザ専門の行政書士は必ず持っています。
見せて下さい!と言えば提示していただけるはずです。外国人のビザ申請業務を専門にしている場合、必ずこの2点を保有しています。
【3】料金体系の明確さ
業務を依頼する前に、どのようなサービスにいくらかかるのか、総額でどの程度の費用が見込まれるのかを、書面(見積書や契約書)で明確に提示してくれる事務所を選びましょう。
基本料金の他に、翻訳料や交通費などの実費、あるいは難易度による追加料金が発生する場合の条件なども事前に確認しておくことが重要です。
極端に安価な料金設定の場合は、サービス範囲が限定的であったり、後から追加料金が発生したりする可能性もあるため注意が必要です。
【4】説明の分かりやすさとコミュニケーションの丁寧さ
専門用語を多用せず、申請手続きの流れやリスク、メリット・デメリットなどを依頼者が理解できるように平易な言葉で説明してくれるか、親身になって相談に応じてくれるかを見極めましょう。
メールや電話での問い合わせに対する返信の速さや的確さも、その後のコミュニケーションの質を測る上で参考になります。
【5】万が一、申請が不許可になった場合の対応方針
不許可の場合の料金の取り扱い(一部返金や全額返金の有無)、無料での再申請サポートの有無など、事務所によって対応は異なります。
誠実な事務所であれば、不許可の可能性についても事前に説明し、不許可になった場合の対策についても考えてくれるはずです。
「100%許可が取れる」といった安易な保証をする事務所は、むしろ注意が必要かもしれません。
【6】実際に相談してみること
多くの行政書士事務所では、初回相談を無料または低料金で実施しています。
ウェブサイトや広告の情報だけでなく、直接話を聞くことで、事務所の雰囲気や担当行政書士の人柄、専門知識の深さなどを肌で感じることができます。
複数の事務所に相談し、比較検討することも有効な手段です。
【7】利用者の声や評判も参考にしつつ、総合的に判断する
インターネット上のレビューや知人からの紹介なども参考情報の一つですが、それだけに頼らず、ご自身で直接コンタクトを取り、上記のようなポイントを総合的に評価して、信頼できると感じる行政書士を選ぶことが成功の鍵となります。
ビザ専門の行政書士はどのくらいいるのか?
2025年4月現在、行政書士は全国に約52,000人います。その内、申請取次行政書士の届出を行っている方は約20,000人ほどとのことです。(全体の約4割弱)これはあくまでも届出を行っている人数であって、「ビザ申請の業務も」やってます、という方から、全くビザ申請業務を行っていない方も含まれます。
実務上の感覚として、実際にビザ申請のみに特化している行政書士は全体の5~10%くらいではないでしょうか。
【まとめ】ビザ申請の頼れるパートナー、行政書士を賢く活用しよう
外国人のビザ(在留資格)申請は、日本での生活やキャリアを左右する極めて重要な手続きです。
この記事では、ビザ申請における行政書士の役割、依頼するメリット、専門家の選び方について詳しく解説してまいりました。
複雑で変化の多い入国管理手続きにおいて、行政書士が果たす役割の重要性をご理解いただけたことと存じます。
行政書士、特に「申請取次行政書士」は、入管法や関連法令、最新の審査基準に精通した専門家です。
煩雑な書類作成や入国管理局への申請代行を通じて、申請者の方々の時間と労力を大幅に削減し、精神的な負担を軽減します。
何よりも、個々の状況を的確に分析し、最適な申請戦略を立案することで、ビザ許可の可能性を高める手助けをしてくれる存在です。
信頼できる行政書士を選ぶためには、ビザ申請業務における専門性や実績、料金体系の明確さ、コミュニケーションの質、そして万が一不許可だった場合の対応方針などを総合的に比較検討することが不可欠です。
多くの事務所が無料相談を提供していますので、実際に話を聞いて、ご自身に合ったパートナーを見つけることが成功への近道となります。
ビザ申請を行政書士に依頼することは、単に手続きを外注するということ以上の意味を持ちます。
それは、専門知識と経験という強力なサポートを得て、日本での新しい生活やキャリアプランをより確実に、そして安心して実現するための戦略的な選択と言えるでしょう。
私たちは外国人ビザ申請専門の行政書士法人です。年間350件超のサポート実績。オンライン申請で全国の入国管理局への申請代行が可能です。失敗しないビザ申請ならお任せください。
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行政書士法人35
代表行政書士 萩台 紘史
2021年4月 SANGO行政書士事務所を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立
外国人の就労ビザ申請に専門特化した事務所として年間350件超の就労ビザ申請をサポート