芸術ビザの取得方法とは?(アーティストビザ)
【更新2025.04.23】最新情報を追記しました。
芸術ビザと聞いてどのような内容を想像しますか?アーティストビザとも呼ばれています。
現在、芸術ビザで在留している外国人は626名のみです。在留外国人総数が約360万人ですので、全体のわずか0.01%しかいないということになります。このめずらしいビザの詳細と取得するための要件等を詳しく解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。
(2024年6月時点:入管庁)
目次
芸術ビザについて
芸術ビザとは元々、芸術分野で国際交流を推進し日本における同分野の向上発展を目的に、芸術家を受け入れるために設けられた在留資格です。
おこなうことができる活動として、収入を伴う芸術上の活動とされています。具体的には次のとおりです。
・音楽、美術、文学、写真、演劇、舞踊、映画その他の芸術上の活動について指導をおこなう者
具体的な活動内容についてはお分かりいただけたかと思います。
次に、「収入を伴う」という点について詳しく説明していきます。芸術ビザは就労ビザのひとつであるため当然日本で活動(在留して生活)している期間はその活動で収入を得る必要があります。
これは、活動の結果として金銭など財産上の利益の収受を伴うことを意味しています。
文化活動ビザ、教授ビザ、興行ビザとの関係
芸術上の活動であっても、収入を伴わないものは文化活動ビザが対象となり、大学等においての芸術上の研究の指導又は教育をおこなう活動は教授ビザが対象となります。
芸能などを公衆に見せるなどして収入を得ることを目的とする興行の形態でおこなわれる芸術上の活動は該当しません。
例えば、オーケストラの指揮者(興行の形態でおこなわれるもの)としての活動は、芸術上の活動であっても興行ビザの対象となります。なお、興行の活動をおこなう外国人に随伴して入国、在留するものでない興行に関係する活動をおこなう者で、芸術に該当する活動をおこなうもの、例として独立して入国、在留する演出家や振付師、脚本家などは芸術ビザの対象となります。
ビザ取得の要件とは?
芸術ビザの要件とされるものは主に2つです。
- 1.芸術家または指導者として相当程度の業績があること
- 2.芸術上の活動のみにより安定した生活を営むことができると認められること
相当程度の業績とは、例として展覧会への入選歴や該当する活動での入賞歴などを意味します。入選歴の回数や展覧会の規模等の明確な指標は公表されておりませんが、申請人の過去の活動内容や経歴は重要な審査ポイントとなるでしょう。
次に、安定した生活を営むことができるとは、十分な収入を得ることができるかという意味になります。これは他の就労ビザでも同様です。ただし、芸術ビザの場合には業務委託契約等で活動するケースが多いかと思います。そのため、通常の雇用契約(いわゆる会社員)と異なり、契約上、収入面ではやや不安定な状態であるかと思います。よって、会社員よりも額面上の収入はある程度多いことが望ましいでしょう。
では、どの程度の金額であれば良いのか?という点に関して明確な数字はありませんが、日本において社会生活をおくることが可能な収入であれば問題はありません。
申請方法と必要書類について
海外から招へいする場合、現在のビザを芸術ビザへ変更する場合、芸術ビザを延長する場合の3つのケースでその申請方法と必要書類を説明していきます。
海外から招へいする場合(在留資格認定証明書交付申請)
申請方法
海外から新規で呼び寄せる場合には、日本にいる代理人(協力者)がその住居地を管轄する出入国在留管理局に申請をおこないます。許可後、在留資格認定証明書(COE)が交付されますので本人のもとへ国際郵便で送ります。
在留資格認定証明書が手元に届いたら現地の日本大使館または領事館でビザの発給申請をおこないます。無事にビザが発給されたら日本に入国をします。到着した空港で在留カードを受け取ることができます。
必要書類
➤契約に基づいて行う場合:内容、期間、地位及び報酬の記載があるもの
➤契約に基づかないで行う場合:収入の見込み額を記載した文書(その活動から生じる収入について)
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芸術ビザへ変更する場合(在留資格変更許可申請)
申請方法
本人の住居地を管轄する出入国在留管理局に変更申請をおこないます。申請書を含む必要書類を持参します。
許可後、連絡がありますので新しい在留カードの交付手続きをおこないます。
必要書類
➤契約に基づいて行う場合:内容、期間、地位及び報酬の記載があるもの
➤契約に基づかないで行う場合:収入の見込み額を記載した文書(その活動から生じる収入について)
こちらもあわせてチェック!
芸術ビザを延長する場合(在留期間更新許可申請)
申請方法
本人の住居地を管轄する出入国在留管理局に更新申請をおこないます。申請書を含む必要書類を持参します。
許可後、連絡がありますので新しい在留カードの交付手続きをおこないます。
必要書類
➤契約に基づいて行う場合:内容、期間、地位及び報酬の記載があるもの
➤契約に基づかないで行う場合:収入の見込み額を記載した文書(その活動から生じる収入について)
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認められる在留期間について
芸術ビザの在留期間は、5年、3年、1年又は3月のいずれかになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。芸術ビザは非常に取得難易度の高い就労ビザであることがお分かりいただけたかと思います。失敗しないためにも、芸術ビザの申請を検討している方は行政書士等の専門家に相談することをオススメいたします。
【動画でも解説しています】
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行政書士法人35
代表行政書士 萩台 紘史2021年4月 SANGO行政書士事務所を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立外国人の就労ビザ申請に専門特化した事務所として年間350件超の就労ビザ申請をサポート