在留カード番号の失効とは?確認する方法を専門家が3ステップで解説します!
「採用面接に来た外国人の在留カード、本当に有効なのだろうか?」
「万が一、失効したカードだったら、会社にどんなリスクがある?」
外国人材の採用が一般的になる一方で、企業が負うべきコンプライアンス上の責任も増しています。特に、提示された在留カードが有効であるかの確認は、不法就労助長罪という重大なリスクを回避するための、極めて重要な第一歩です。
この記事では、誰でも簡単に在留カードの有効性を確認できる国の公式ツール「在留カード等番号失効情報照会」について、その使い方から「失効」と表示された場合の対応策まで、専門家が分かりやすく解説します。
まずは結論!在留カードの有効性は、国の公式無料ツールで今すぐ確認できます
結論から申し上げますと、外国人採用時には、必ず出入国在留管理庁が提供する無料の公式ツール「在留カード等番号失効情報照会」ページを使い、提示された在留カードが有効か否かを確認してください。
この一手間をかけるだけで、偽造在留カードの行使や、すでに失効したカードの使い回しといった不正を見抜くことができ、企業を不法就労のリスクから守ることができます。採用担当者様が、PCやスマートフォンで今すぐ実行できる、最も確実なコンプライアンス対策です。
【PC・スマホで簡単】在留カード番号の有効性を確認する3つの手順
この確認作業に、専門的な知識は一切不要です。お手元に確認したい在留カードと、インターネットに接続できる端末があれば、1分ほどで完了します。
出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」ページにアクセスする
出入国在留管理庁が提供する「在留カード等番号失効情報照会」にアクセスします。ブックマークしておくと便利です。
在留カードに記載の「在留カード番号」と「有効期間満了日」を入力する
照会ページには2つの入力欄があります。在留カードの右上に記載されている12桁の「在留カード番号」と、顔写真の下にある「有効期間満了日」を、それぞれ正確に入力します。
「照会」ボタンを押し、表示された結果を確認する
入力後、「照会」ボタンを押すと、「この在留カード番号は有効です。」または「この在留カード番号は失効しています。」という結果が即座に表示されます。この結果をもって、カードの有効性を判断します。
こちらも一緒にチェック【採用担当者必見】在留カードの見方とは?
なぜ有効期間内なのに?在留カードが「失効」する4つの主な理由
「カードに記載の有効期間はまだ先なのに、なぜ『失効』と表示されるの?」これは、採用担当者様が最も混乱しやすいポイントです。在留カードは、有効期間内であっても以下の理由で失効します。
在留資格の更新・変更で、新しい在留カードが交付された場合
これが最も多いケースです。在留資格を更新・変更すると、新しい在留カードが交付され、その瞬間に古いカードは無効(失効)となります。本人が古いカードを誤って提示している可能性があります。
在留期間の満了日を過ぎてしまった場合
これは当然の理由ですが、カードに記載された有効期間の満了日を1日でも過ぎれば、その在留資格とカードは失効します。いわゆるオーバーステイの状態です。
日本から完全に出国し、在留カードを返納した場合
中長期在留者が日本での活動を終え、再入国の意図なく完全に出国する際は、空港で在留カードを返納します。その時点でカードは失効処理されます。
「みなし再入国許可」で出国後、期限内に日本へ戻らなかった場合
有効なパスポートと在留カードを持って出国した場合、1年以内に再入国すれば元の在留資格を維持できますが、この期限内に戻らなかった場合、在留資格は消滅し、カードも失効します。
もし「失効」と表示されたら?企業が取るべき3つの正しい対応
照会結果で「この在留カード番号は失効しています。」と表示された場合、決して感情的にならず、冷静に以下の手順で対応してください。
慌てず、まずは本人に事情を確認する
高圧的な態度で問い詰めるのは禁物です。「もしかして、新しいカードをお持ちではないですか?」と優しく尋ねてみましょう。単に古いカードを誤って提示しただけの可能性が非常に高いです。
有効な在留カードが確認できるまで、雇用契約を結ばない
本人が新しいカードを持っていると言っても、その現物を確実に提示してもらい、再度、失効情報照会を行うまでは、絶対に雇用契約を結んだり、勤務を開始させたりしてはいけません。これが不法就労助長罪を防ぐための鉄則です。
状況が不明瞭な場合は、速やかに行政書士などの専門家に相談する
本人が新しいカードを持っておらず、失効の理由も要領を得ないなど、少しでも不審な点があれば、その場での判断は危険です。「専門家に確認します」と伝え、速やかに行政書士などビザの専門家に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。
在留カード番号の失効確認に関するよくあるご質問
ここでは、在留カード番号の失効確認について、企業の担当者様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. このツールで偽造在留カードも見抜けますか?
A. はい、非常に有効です。偽造カードの多くは、実在しない番号や、既に失効した他人の番号を使っています。そのため、この照会で「失効」または「該当なし」と表示されれば、偽造を疑うきっかけになります。
Q2. 照会した事実は、外国人本人や入管に通知されますか?
A. いいえ、通知されません。誰が、いつ、どの番号を照会したかという記録は残りませんので、安心して何度でも利用できます。
Q3. 採用時だけでなく、雇用を継続している従業員に対しても確認すべきですか?
A. はい、強く推奨します。在留資格の更新時期など、定期的に有効性を確認する社内ルールを設けることで、従業員の「うっかり更新忘れ」などを会社が早期に発見でき、コンプライアンス体制の強化に繋がります。
まとめ:採用時の在留カード有効性チェックは、企業の未来を守る防波堤
今回は、在留カードの有効性を確認する国の公式ツールについて解説しました。
「在留カード等番号失効情報照会」は、外国人採用における不法就労のリスクから、企業を守るための非常に簡単で、かつ強力なツールです。この一手間を惜しまず、採用時の社内ルールとして徹底することが、企業の信頼と輝かしい未来を守る防波堤となります。
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行政書士法人35
代表行政書士 萩台 紘史
2021年4月 SANGO行政書士事務所を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立
外国人の就労ビザ申請に専門特化した事務所として年間350件超の就労ビザ申請をサポート