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フランス人を日本で雇用するための学歴要件とは?技人国(ぎじんこく)ビザは取れる?|グランゼコールと大学の違い、就労ビザ要件を行政書士が解説

フランス人候補者の履歴書に記載された「グランゼコール」とは何か。3年制の大学は、日本の大卒と同等に評価できるのか。フランス独自の教育システムは、グローバル採用を進める人事担当者を悩ませる一因です。

フランスの教育は、一般的な「大学」とは別に「グランゼコール」というエリート養成機関が存在する二元構造が最大の特徴です。この点を理解せずに学歴を評価すると、候補者の能力を見誤り、採用のミスマッチやビザの不許可に繋がる恐れがあります。

本記事では、就労ビザの専門家が、フランス教育制度の全体像から、最難関の国家資格「バカロレア」、「大学」と「グランゼコール」の違い、そして日本の就労ビザ要件との関連性までを体系的に解説します。最後まで読めば、フランス人材の学歴を正しく評価する明確な基準が手に入ります。

まずは結論!フランス教育の2大エリートコース「大学」と「グランゼコール」

フランスの教育制度を理解する鍵は、高等教育における「大学(Université)」と「グランゼコール(Grandes Écoles)」という二つの異なる道の存在を知ることです。まずは、日本の制度との比較から全体像を掴みましょう。この二元構造が、フランスのエリート層を形成しています。

項目 フランス 日本
義務教育 3歳~16歳 6歳~15歳(9年間)
高校卒業資格 国家資格「バカロレア」 各高校の卒業証書
高等教育 大学とグランゼコールの二元構造 大学(一部、短期大学)が中心
学士課程 3年制(リサンス) 4年制

フランス教育の3つの特徴:3歳からの義務教育、国家資格「バカロレア」、高等教育の二元構造

  1. 3歳からの義務教育:世界的に見ても早い年齢から、公教育がスタートします。
  2. 国家資格「バカロレア」:単なる高校卒業資格ではなく、大学入学資格を兼ねた非常に重要な国家試験です。
  3. 高等教育の二元構造:開かれた「大学」と、選抜されたエリートのための「グランゼコール」が併存しています。

新学期は9月開始、学士課程は3年制が基本

フランスの新学期は9月に始まり、翌年6月頃まで続く2学期制です。また、EU圏の基準に合わせたボローニャ・プロセスの影響で、大学の学士課程は3年制(リサンス)、修士課程は2年制(マスター)が基本となっています。

フランスの教育課程:バカロレア取得までの道のり


フランスの子供たちは、どのようにして最難関の国家資格「バカロレア」までたどり着くのでしょうか。その道のりをステージ別に見ていきましょう。

1. 幼児学校・小学校(École maternelle/élémentaire):3歳~11歳

3歳からの幼児学校3年間が義務教育に含まれるのが大きな特徴です。その後、6歳から5年制の小学校に進み、基礎学力を学びます。

2. 中学校(Collège):4年間

11歳から15歳までの4年間は、「コレージュ」と呼ばれる単一の中学校に進学します。全ての生徒がここで同じ教育を受けます。

3. 高校(Lycée):3年間

中学校を卒業した生徒は、「リセ」と呼ばれる3年制の高校に進学します。この段階で、大学進学を目指す「普通リセ」、技術系の高等教育を目指す「技術リセ」、就職を目的とする「職業リセ」に分かれます。

4. 高校卒業・大学入学資格「バカロレア(Baccalauréat)」

通称「バック」と呼ばれるバカロレアは、高校教育の修了を証明すると同時に、大学入学資格を付与する国家統一資格試験です。論述試験が中心で、思考力が問われ、これに合格しなければ原則としてフランスの大学には進学できません。

【採用担当者向け】フランス高等教育の二元構造:大学とグランゼコール

バカロレアを取得した後の進路は、大きく二つに分かれます。この「大学」と「グランゼコール」の違いを理解することが、フランス人材の能力を見極める上で最も重要です。

1. 大学(Université):開かれた学術の場

フランスの「ユニヴェルシテ」は、バカロレア取得者であれば、原則として誰でも登録できる開かれた高等教育機関です。一部の学部を除き入学試験はなく、学問の機会を広く提供することを理念としています。大学では、3年間で「リサンス(Licence)」(学士)、その後2年間で「マスター(Master)」(修士)を取得するLMDシステムが採用されています。

2. グランゼコール(Grandes Écoles):未来の指導者を育てるエリート校

「グランゼコール」は、フランス独自の高等専門教育機関で、将来の各界を担うエリートを養成することを目的としています。入学するためには、高校卒業後、さらに2年間の「グランゼコール準備級(CPGE)」で猛勉強し、極めて競争の激しい選抜試験に合格しなければなりません。CPGEでの2年間とグランゼコールでの3年間、合計5年間の教育を受けるため、その卒業資格は一般的に日本の「修士」以上に相当すると高く評価されます。代表的な学校に、HEC経営大学院(経済)、エコール・ポリテクニーク(理工系)、国立行政学院ENA(現INSP、高級官僚養成)などがあります。

【専門家の視点】フランスの学歴と日本の就労ビザ要件


それでは、これらのフランス特有の学歴は、日本の就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の申請においてどのように判断されるのでしょうか。ビザ専門家としての見解を解説します。

結論①:3年制大学「リサンス(学士)」は学歴要件を満たす

フランスの大学で取得した3年制の「リサンス(Licence)」学位は、日本の就労ビザにおける「大学を卒業し学士の学位を有すること」という要件を満たします。

なぜ3年制大学でも「学士」と認められるのか?

フランスの高校卒業資格「バカロレア」が、日本の高卒資格より高度なレベルと見なされているためです。大学入学前の12年間の教育水準の高さに加え、国際的な学位基準(ボローニャ・プロセス)に準拠していることから、3年制の「リサンス」は日本の4年制大学卒業(学士)と同等と評価されます。

結論②:「グランゼコール」卒業は「修士」相当と評価され、高度専門職ビザでも有利

グランゼコールの卒業資格は、日本の「修士号」と同等か、それ以上の極めて高い専門性を持つ学歴として評価されます。そのため、通常の就労ビザはもちろん、優遇措置の多い「高度専門職」ビザのポイント計算においても「修士」として扱われ、非常に有利になります。

注意点:「DUT/BTS」は短期高等教育であり学歴要件外

採用時に注意すべきは、2年制の技術短期大学部(IUT)や高等技術者セクション(STS)で取得する「DUT」「BTS」という資格です。これらは短期の高等職業教育資格であり、「大学卒業(学士)」とは見なされないため、原則として「技術・人文知識・国際業務」ビザの学歴要件は満たしません。

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【駐在員・移住者向け】パリの日本人学校とインターナショナルスクール

ご家族でフランスに赴任される方向けに、お子様の教育の選択肢をご紹介します。

1. 日本の教育が受けられる「日仏文化学院パリ日本人学校」

パリ近郊には、幼稚部から高等部までを擁する全日制の日本人学校があります。日本の学習指導要領に準拠した教育が受けられ、日本への帰国や進学を考える家庭にとって安心の選択肢です。

2. 現地校やインターナショナルスクールという選択

フランスの現地校に通わせることで、お子様はフランス語を習得し、現地の文化に深く触れることができます。また、パリには質の高いインターナショナルスクールも多く、英語環境でのグローバルな教育を望む家庭に人気です。

フランスの教育制度に関するよくある質問(Q&A)

Q1. フランスの卒業証明書にアポスティーユは必要ですか?
A. はい、必要です。フランスはハーグ条約の加盟国であるため、大学の卒業証明書などの公文書を日本で公式に利用する際には、フランスの管轄当局によるアポスティーユ認証が求められます。
Q2. フランスの大学は学費が安いと聞きましたが本当ですか?
A. はい、国立大学(Université)の学費は国によって定められており、非常に安価です。EU圏外の学生向けの料金でも年額数千ユーロ程度です。ただし、グランゼコール、特に私立の商学系は高額になる場合があります。
Q3. 採用時に確認すべき学歴の証明書は何ですか?
A. 大学卒の場合は「Diplôme de Licence(学士号証明書)」、グランゼコール卒の場合はその学校が発行する「Diplôme(卒業証書)」を確認します。併せて、履修科目と成績がわかる証明書(Relevé de notes)も提出してもらうことが重要です。
Q4. 「バカロレア」には種類があるのですか?
A. はい、大きく分けて3種類あります。大学やグランゼコール準備級への進学を目的とする「普通バカロレア」、技術系の高等教育を目指す「技術バカロレア」、そして特定の職業分野への就職を目的とする「職業バカロレア」です。

まとめ:フランスの二元構造を理解し、優秀な人材の採用に活かしよう

フランス教育制度の重要ポイント

最後に、フランス人材の採用における重要ポイントを再確認しましょう。

  • 高等教育は、開かれた「大学」と選抜制の「グランゼコール」の二元構造
  • 大学入学資格の国家試験「バカロレア」は非常に重要
  • 3年制大学卒(リサンス)は日本の就労ビザの学歴要件を満たす
  • グランゼコール卒は修士以上のエリートとして高く評価できる

学歴評価の鍵は「大学」と「グランゼコール」の違いの理解

フランス人材のポテンシャルを正しく見抜く鍵は、この二元的な高等教育システムを理解することに尽きます。「大学卒」と一口に言っても、それが一般的な大学なのか、超エリート校のグランゼコールなのかで、候補者の経てきた道のりや能力は大きく異なります。この評価を的確に行い、候補者の経歴に最適なビザを申請することが、採用成功への最短距離です。

フランスからの人材採用、ご家族の赴任など、ビザに関するお悩みは「就労ビザ東京ドットコム」にご相談ください。専門家が無料で状況を診断し、最適な解決策をご提案します。

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【記事監修者】

行政書士法人35
代表行政書士 萩台 紘史

2021年4月 SANGO行政書士事務所を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立

外国人の就労ビザ申請に専門特化した事務所として年間350件超の就労ビザ申請をサポート

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