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製造業で技術・人文知識・国際業務ビザを取得できる職種とは?


近年は飲食店やホテル、建設現場などで外国人が働く姿を直接目にする機会が増えましたが外国人労働者の割合が最も多いのは製造業です。ものづくりは日本のお家芸ともいわれておりますが、慢性的な人材不足で悩まされている中、効率化が喫緊の課題である製造業にとって技術・人文知識・国際業務ビザで従事することのできる職種について解説していきます。

製造業界人材不足の現状

2023年の製造業の就業者数は前年より11万人増加しているものの、全職業の有効求人倍率1.16倍に対して製造業は1.59倍と大幅に上回り人手不足であることがわかります。円安により海外からの受注が好調な製造業ではありますが、人手不足により機会損失となってしまう場合も多いようです。(引用元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年10月度)」)

製造現場におけるDX推進

2018年に経済産業省は日本企業が市場で勝ち抜くためにDXを推進しなければ上記のような機会損失、2025年から年間で約12兆円もの経済損失が発生すると「2025年の崖」問題を提示しました。2024年版ものづくり白書によると、まだまだ個別の作業効率や安全性向上に対してではあるもののデジタル技術を活用する企業は8割を超えたとされています。そのため近年は製造現場の技能人材だけでなく、デジタル人材の不足を補うことも課題とされています。

外国人労働者の3人に1人が製造業に従事


2023年10月時点での外国人労働者数は約200万人となっており、その内の約55万人が製造業に従事しております。これは、日本国内で就労している外国人の約3人に1人が従事していることになります。他の業界と比べ、日本語能力をそこまで必要としない(会話が少ない)ため外国人にとっては働きやすい業界なのかもしれません。(引用元:厚生労働省「産業別外国人労働者の割合(令和5年10月末時点)」)

製造業でのビザ取得が難しいと言われる理由

結論から申し上げますと製造業で就労ビザを取得するのは難しいわけではありません。では、なぜそのように言われているのかというと、従事させたい職務内容と在留資格で認められている職務内容が一致しないためです。
まず、会社が従事させたい職務内容は、工場内でのライン作業等の現業作業が大半です。長年、慢性的な人材不足だといわれております。次に、留学生の多くは内定後、就労するにあたって当該在留資格である「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を行いますが、技術・人文知識・国際業務ではライン作業等の現業作業をおこなうことは認められておりません。当該在留資格が想定している職種は、例えば、システムエンジニア、プログラマー、技術開発、経理、人事労務、コンサルティング、翻訳通訳、語学講師、企画事務、商品開発等が挙げられます。いわゆるホワイトカラー(事務職)と呼ばれる職種です。
留学生の多くは、在籍中の大学又は専門学校での学歴をもとに、日本語学校の生徒の場合には母国での学歴をもとに就労ビザへの変更申請をするのがほとんどです。そのため、上記で述べた従事させたい職務内容と在留資格で認められた職務内容の不一致が発生してしまうというわけです。

技術・人文知識・国際業務ビザで従事できる職種とは?

まずはじめに、「技術・人文知識・国際業務」とはどういったものなのか?詳しくは以下よりご確認ください。

Screenshot技術・人文知識・国際業務についてはてなブックマーク数0 tweets0 likes
在留資格「技術・人文知識・国際業務」で在留している外国人は2023年12月時点で約36万人と、在留外国人全体のおよそ10%、技能実習生についで2番目に多い就労ビザとなっております。省略して「技・人・国(ぎじんこく)」とも呼ばれています。

では、製造業で従事可能な職種にはどのようなものがあるのでしょうか。以下に例を挙げてみます。

生産管理
生産管理職は製造業で重要な役割です。製品製造のプロセス全体を監督して効率的かつ効果的に生産が進むように管理監督をします。具体的には、生産計画の立案、進捗管理、品質管理、コスト管理、在庫管理等、その内容は多岐にわたります。
技術開発
新製品の開発や既存製品の改良を行い、技術的側面から会社の競争力を向上させる重要な役割を果たします。具体的には、製品開発、製品改良、技術研究、試作テスト、施術サポート、設計、市場調査等を行います。
法人営業
良い製品を開発してもそれをセールスする営業職がいなければ会社は成り立ちません。新規顧客の開拓、既存顧客の折衝、提案営業、商談、アフターフォロー等を行います。
経理会計
会社の財務活動を管理して正確な財務報告を担う役割です。業務内容として、会計帳簿の管理、財務報告書の作成、予算管理、税務申告、キャッシュフロー管理、監査対応、財務分析等が挙げられます。
翻訳通訳
企業内通訳者として雇用されるケースがあります。ライン作業に従事している大勢の外国人従業員と日本人従業員の間に入って、日々の業務指導等を行います。技能実習生や外国人アルバイトが多数在籍している会社では重宝されるポジションです。
海外取引
製品を海外に輸出している場合には現地企業との折衝を行う人材が必要です。輸出入業務、契約管理、物流管理、仕様書等の翻訳等を行うため、語学力はもちろん、交渉力や国際感覚も必要とされています。

なお、ライン作業等に従事する場合には特定技能ビザの検討をおすすめいたします。技術・人文知識・国際業務では認められていない業務に従事させることも可能です。

必要書類について

【在留資格認定証明書交付申請】

海外から招へいする場合に必要な書類です。
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
・顔写真 1葉
・返信用封筒 1通
※ 返信用の切手を貼ったもの

以下、所属機関のカテゴリーによって必要書類が異なります。

カテゴリー1
・四季報の写し
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書など
・専門学校卒の場合、専門士称号付与証など
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー2
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
・専門学校卒の場合、専門士称号付与証など
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー3
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
・労働条件通知書又は雇用契約書など
・卒業証明書及び成績証明書
・登記事項証明書
・直近年度の決算書
・会社概要のわかるもの
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー4
・給与支払事務所等の開設届出書の写し
・直近3カ月分の給与所得退職所得等の所得税徴収高計算書
・労働条件通知書又は雇用契約書など
・卒業証明書及び成績証明書
・登記事項証明書
・直近年度の決算書
・会社概要のわかるもの
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など

【在留資格変更許可申請】

現在のビザを技術人文知識国際業務ビザへ変更する場合に必要な書類です。
・在留資格変更許可申請書 1通
・顔写真 1葉
・パスポート及び在留カード 提示

以下、所属機関のカテゴリーによって必要書類が異なります。

カテゴリー1
・四季報の写し
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書など
・専門学校卒の場合、専門士称号付与証など
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー2
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
・専門学校卒の場合、専門士称号付与証など
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー3
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
・労働条件通知書又は雇用契約書など
・卒業証明書及び成績証明書
・登記事項証明書
・直近年度の決算書
・会社概要のわかるもの
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー4
・給与支払事務所等の開設届出書の写し
・直近3カ月分の給与所得退職所得等の所得税徴収高計算書
・労働条件通知書又は雇用契約書など
・卒業証明書及び成績証明書
・登記事項証明書
・直近年度の決算書
・会社概要のわかるもの
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など

【在留期間更新許可申請】

ビザの期限を延長する場合に必要な書類です。
・在留期間更新許可申請書 1通
・顔写真 1葉
・パスポート及び在留カード 提示

以下、所属機関のカテゴリーによって必要書類が異なります。

カテゴリー1
・四季報の写し
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書など
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー2
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー3
・前年度の給与所得源泉徴収票の法定調書合計表
・前年度の課税証明書及び納税証明書
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など
カテゴリー4
・前年度の課税証明書及び納税証明書
※ 派遣契約に基づく場合、労働条件通知書など

まとめ

自動化が進んでいる製造業であってもまだまだ人の手が必要な部分が存在します。技術・人文知識・国際業務では現業作業に従事することはできませんが、バックオフィス部門で必要とされている職種も存在します。どこで、どんな、業務に従事させるのかで必要な在留資格は異なります。(技術・人文知識・国際業務なのか特定技能なのか等)しっかりと検討をおこなった上で申請にのぞみましょう。

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記事監修者

行政書士法人35
行政書士 萩台 紘史

2021年4月 個人事務所「SANGO行政書士事務所」を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立
年間350件超の就労ビザ申請を対応

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