就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の審査日数は?
就労ビザの申請後、いちばん多い質問が「何日で許可がでるのか?」、「友達はもう許可出たのに私はまだなのか?」など、審査の日数に関する質問が非常に多いことを日々の実務で実感しております。時間がかかるほど心配になるのは当然だと思います。実際に入管の審査にかかる日数等について解説していきます。
標準処理期間について
審査の日数については、入管が標準処理期間という目安となる審査期間を公表しているのをご存じでしょうか?入管での認定、変更、更新の申請の標準処理期間は以下のとおりです。
・在留資格変更許可申請:2週間~1ヵ月
・在留期間更新許可申請:2週間~1ヵ月
入管に限らず、市区町村の役所でも各手続き毎に標準処理期間は定められております。
上記は横浜市の「特定非営利活動法人の設立の認証」の標準処理期間です。40日となっていますね。あくまでも努力義務となっておりますので目安として捉えておきましょう。
実際の審査日数は?
それでは、実際にはどのくらいの審査日数がかかっているのかを確認しましょう。入管は定期的に平均審査日数を公表しています。
認定申請(海外から招へい) | 62.1日 |
変更申請(ビザを変更) | 48.5日 |
更新申請(ビザを延長) | 43.6日 |
これは、2024年7月~9月の「技術・人文知識・国際業務ビザ」の審査平均日数です。
冒頭で説明した標準処理期間と比較すると、変更申請、更新申請の審査に時間がかかっていることが分かりますね。なお、これは全国平均なのであくまでも目安として捉えておきましょう。
審査は全体的に遅くなっている?
以下は、令和2年から令和6年9月までの技術・人文知識・国際業務の認定申請、変更申請、更新申請の平均審査日数のグラフです。
認定申請は令和5年頃から、変更申請、更新申請は令和5年の終わり頃から急激に審査日数がかかっていることがわかります。これは、新型コロナウイルス禍明けの入国制限緩和にともなう申請件数増加がきっかけとなり、今日においてもその影響が続いているものと思われます。
申請先の入管によって日数に違いはあるのか
全国各地に入管はありますが、入管毎の審査日数の公表はされていません。上記の日数はあくまでも全国平均となっています。日々実務を行っていて感じるのは、地方都市の入管の方が審査は早い傾向にあるのを感じています。東京や大阪、名古屋等は申請件数が非常に多いため常に混雑しています。それに比べるとやはり地方の入管は若干審査が早期に完了している印象です。とはいえ、申請人が自由に申請先の入管を選ぶことはできないためあくまでも参考程度にしておきましょう。
審査を早める方法はあるの?
誰もが気になることですね。
結論、審査を早める方法は「ありません」
入管の窓口で、「私の申請は早くお願いします!」と言っても、優先的に早くしてくれるわけではないのです。ですが、審査を遅らせない方法はあります。それは、申請書を正しく記入する、提出資料を不足なくそろえる、別途説明が必要な事柄がある場合には理由書等でしっかりと説明をする等、審査官がスムーズに審査を行えるようにするのが重要です。
まとめ
最近は、審査に時間がかかっているのがお分かりいただけたかと思います。申請人本人、外国人雇用を検討している企業等、就労ビザの各種申請は早めにおこなうのが良さそうです。計画的に準備を進めていきましょう。
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行政書士法人35
行政書士 萩台 紘史
2021年4月 個人事務所「SANGO行政書士事務所」を開業
2023年9月 法人化に伴い「行政書士法人35」を設立
年間350件超の就労ビザ申請を対応